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思い出のブローチ【今日もコレカラ/第725回】

先日、プロフィール撮影会を企画して、そのディレクションをした。
みんながその時の写真を続々アップしてくれて「すっごく可愛い!」「素敵!」と言われているのをにこにこ見ている毎日です。うれしいなあ。

ヘアカタログを作っているとき、本当にたくさんの人の撮影に立ち合わせていただいた。『女の運命は髪で変わる』を出したときにざっと振り返ったのだけれど、ざっと4万人(のべ)くらいの撮影に立ち合った。
ヘアページにはプロのモデルではなく読者モデルの人たちだったり、初めて撮影をする人たちがたくさんくる。ヘアスタイルを可愛くしてもらって、カメラの前でドキドキしている彼女たちの一番綺麗に見える角度をカメラマンさんと探し、緊張をほぐし、笑わせ、最高の1枚をディレクションするのが私の仕事だった。
私、ヘアライターという肩書きで仕事をしていたけれど、メインの仕事は撮影だったと思う。
実は、私の著者デビュー作は『フォトシュートレッスン』という撮影指南の本だったりする。

いろんな思い出があるけれど、忘れられないのは、ある美容院のVIP顧客をお招きして開催した撮影会のこと。70代後半の品の良い綺麗な女性がいらした。緊張している彼女に打ちとけようと、カメラマンのなかむ(中村彰男さん)が「素敵なブローチですね」と声をかけたら、その方はぱっと表情を明るくして「亡くなった主人と一緒に行ったベネチアで買ったものなんです」と教えてくれた。
そして
「私、遺影を撮るつもりできたんです。だから、思い出のブローチと一緒にうつりたくて」
と、おっしゃった。そして、どうぞよろしくお願いします」と丁寧に頭を下げた。

泣きそうになるのをこらえながら、彼女にとって一生の記念になるような写真にしてあげたいと、スタッフみんな持てる力すべてで撮影に臨んだ。
その方の人柄をうつすような素敵な写真が撮れて撮影が終わったとき、私は「来年もまた元気で撮影にきてください。毎年遺影を更新しましょうね」と伝えた。にっこりと大きく笑って頷いてくださった。

この方のことは本当に今でも覚えている。でも、プロフィール撮影のときはいつも、その時と同じくらいの集中力で撮影のディレクションをしている。
魅力的に撮影できますように。お仕事いっぱいきますように。お友達に褒められますように。彼氏をドキッとさせられますように。なにより、ご本人が「私ってこんなに素敵だったんだ」と思ってもらえますように。

撮影ディレクション、本当に大好き。
また企画しよー!

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幼い頃、よく見る夢があった。

※「今日もコレカラ」は朝7時に更新です。バックナンバーが読めるようになりました。

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