
命だばだば【今日もコレカラ/第848回】
先日、京都のアーティストフェアで、ある画家の方のアトリエを見学させていただいた。
気鋭の日本画家として注目を集めるその方は、30代。
アトリエには、絵だけではなく、その方が海外を旅しながら書いた日記やスケッチが展示されている。
ツバメノートにぎっしりと書き込まれたその文章には、
自分はなぜ描くのか
なにを目指して描くのか
そして、そのために何をすべきなのかが、綴られている。
展示された絵は、いつか北斎や若冲らと並ぶことを想定して描かれている。
だから、何百年後にも残る画材が使われている。
ブルーブラックの万年筆で書かれた彼の思考を追い、習作に習作を重ねたのち披露目を許された一群の絵を見ていたら、ふつふつとこみあげてきた感慨があった。
ああ、この方は、命を、余すところなく使っているのだな。
なんて、すみずみまで、豊潤に、命を使っているのだろうか。
命のほうも、この人に使われて、幸せだろうな。
心臓がポンピングして、全身に血液が送られる。
指の爪の先まで、髪の毛の先端まで、その血がめぐるところを想像する。
毛細まで命をゆき渡らせて、描き、書き、生きるということ。
なんて激しく美しい生き方だろう。
激しさが、ダダ漏れている。
命の塊のような作品たちに囲まれて
私だって、できることなら、そんな人生でありたかったと思ったら
なんだか悔しくて情けなくて、アトリエでへなりと座り込んでしまった。
だいぶしばらくたってのろのろ立ち上がったときには
それでも、人生は続くのだと、半分諦めたような半分挑むような気持ちになっていた。
まだ間に合うことのほうを、やろう。
あと何年存在できるかわからないこの地球で、もっといっぱい、すみずみまで。
命をだばだばと使おうと思って、アトリエをあとにする。
半世紀、生きた。
50代に突入する。
このタイミングで、暴れ馬のような奔流を見てよかったな。
次の半世紀(?)は、もっと恥じなく、めいっぱい暴れよう。
2月25日、50歳になりました。
今日から、幻冬舎plusさんで『50代を迎え討つ!』の連載が始まります。
過去に1話だけ公開していた話ですが、今日から2週間に1回のペースで更新していきます。
よろしければ、ぜひお読みください。
そして、今日(25日)は、京都の粋(sui)さんで、一日ママをしています。
現在、ご予約2名!!!
みなさん、ぜひふらり、遊びにきてください。
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──書き終える日っていつかきますよね。つまり、死ぬのは怖くないですか?
田名網:全然怖くない。その日その日で、僕なりにベストを尽くしてやってきたからね。毎日自分のなかで納得するラインまで考えてやってる。だから、明日死んでもいい。今日僕がやろうとしていたことは、すべて終わっているわけだから。
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2024年11月に行われた「超集中★1日ライティング講座」のアーカイブ動画を、期間限定で再販いたします。
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