
そんなくだらない質問はしないでね【今日もコレカラ/第942回】
最近、作家さんや編集者さんへのインタビュー取材立ち合いが続いている。その方々の著作を読み返したり、質問を考えたりしながら、ふと思う。
子どもの頃から本が好きな子どもだったけれど、大人になってから、こんなふうに本を書く方々、本を作る方々にインタビューする人生になるとは、思ってもいなかったな。
そして、自分も「本を出した人」として、どなたかからインタビューを受ける人になるとは、思ってもいなかったなあ。
若い頃は「なぜ書くのか」「なぜ文章なのか」「書くこととはいったい、何なのか?」といったことが気になった。
今だからわかるけれど、それは「なぜ生きるのか」とほとんど同じ質問で、問われた場合は非常に難しい質問である。それを知るために書いているのだ、とも言える。
もう数十年前のことになるけれど、是枝裕和監督が、「学生と話していると『あなたにとって映画とは何か?』みたいな質問を投げられる。これほど答えるのに難しい質問はない」と言ってらしたのを思い出す。
最近は「あのシーンはなぜ生まれたのか」「なぜこの語順で書いたのか」「ここはなぜ、句読点が?」といったディティールのほうが気になる。その積み重ねが、その人の生き方だと思うようになってきたからだ。
今度、ある漫画家さんにインタビューをするんだよね、息子に言ったら、
「『なんで漫画家になったんですか?』みたいな、くだらない質問はしないでね」
と言われた。
おぬし、やるな。
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