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Snow Man、やっぱり信じられるし救われたし寿命が延びた 『Snow Man LIVE TOUR 2022 Labo.』 #スノラボ ライブレポ

10月8日、横浜アリーナ。FCに入って約2年半、ついにSnow Manのライブに行ける日がやってきた。

会場につくまでは現実感がなくてふわふわしていて、いい思いをする前にうっかり死なないように気を付けた。席につくと会場を囲む「Snow Man」のロゴがライトアップされていて気持ちが高まった。ついにきたんだ、と思った。ちなみにその前にトイレに25分くらい並んだ。早めに入っていてよかった。

チケットがあまりに当たらなさすぎるので、いつか行けたら感極まって泣いてしまうかもしれないと思っていたけれど、実際そのときがきたら泣いている場合ではなかった。コロナ禍でパフォーマンスの時間を縮めたアーティストもいるなか、全29曲2時間20分の大ボリュームで、彼らの歌を、ダンスを、会話と笑いを、存在を、浴びた。

毎日何かしらのコンテンツに癒されていたから、実在していることなんて当然知っているはずなのに「実在してる!!!」という衝撃がすごかった。舞台に行ったときも同じ事を思ったのだが、本人たちとして話す場面やより近くで見る瞬間があるライブだとあらためて感じるものがあった。そして「冠番組の収録がいつも押す」「広い楽屋を用意してもひとところに9人が密集する」と言われるとおり、わちゃわちゃしたMC部分も多く、思った以上に笑っている時間が長かった。

ジャニーズのコンサートは総合芸術

どう表現しても月並みになってしまうけど、Snow Manのパフォーマンスは本当に素晴らしかった。ダンスも歌も個人差はあれど「この人はできない」みたいなメンバーがいない。今回のツアーは今年9月21日に発売された2ndアルバム「Snow Labo. S2」をひっさげたツアーなのだが、歌やラップや遠吠えなど「CDよりもかっこいいのでは!?」と思うくらいクオリティーが高いパートが多くてびっくりした。なぜそんなに激しい振り付けを踊りながらそのパートを歌えるのか。私は自担の佐久間くんのダンスが「このダンスを見ながら死にたい」と思うほど好きなのだが、実際に見たら「こんなものを見たら寿命が延びてしまうな」と思った。

ジャニーズのライブはセットも効果もお金のかかり方やスケールが違うなと思う。そしてグループにもよるだろうが、メンバーがパフォーマンス以外の部分でも関わっていて、今回は演出を深澤くんと阿部くん、衣装をラウールくんが担当したらしい。そういった情報がMCで明かされるので、ツアーの日程が進むごとに新事実が知れるのも楽しい。すべり台をすべって降りてこられるステージや、12mの高さからそのまま客席の上を通るアイアーチ、スタンド席の通路を移動するスタトロ、通称”クラゲ”と名付けられた、上から下まで縦に複数の透明なセットからメンバーが姿を見せたり隠れたりする装置など、次はどこから出てくるのか予想がつかなくて、それだけでも楽しい。遊園地のパレードを見ているような気分だ。

衣装がどれも素晴らしかった。青地に金の刺繡がほどこされた昨年の紅白で着た衣装。カラフルで光沢あるスーツ、ふわっとした白い衣装、そして黒×ゴールドで、メンバーによってはインナーがスケスケの網だったりお腹が丸出しだったりするセクシーな衣装……。

土の衣装もよかったけれど、個人的には最後の黒のかっこいい衣装で踊りまくるパート、特に「Tic Tac Toe」「Crazy F-R-E-S-H Beat」「Movin’ up」の流れがめちゃくちゃ好きだった! 「こんなにかっこいいものを連続で見せていただいていいんですか??」という気持ち。

そしてスタトロでメンバーたちを肉眼で確認。映像で観る以上に美しかったりかっこよかったりしてびっくりした。今日何度目のびっくりかわからないが、それくらい想像を超えていたのだ。そして、ファンサ(コンサート中、ファンに対して何らかの反応をしてサービスすること)がすごいと有名な阿部くんが、近くの阿部担の方のうちわに反応し(たぶんピースとか、何かポーズを取るものだったと思う)、その瞬間彼女が泣き崩れるのを見た。他のコンサートでもファンサ的なものを見たことはあるのだが、こんな、まるで矢を放ったかのような光景は初めてだ。事前にTwitterで「阿部くんのファンサがすごすぎて森林破壊」というようなツイートを見てすごい表現だなと思っていたが、確かにそこまで強い言葉が似合うくらいの威力だなと納得した。

目が9個ないため、すべて見られないのが大変残念だが、メンバー同士で何か一緒にやっていたり楽しそうにしていたりするのも癒された。ファンのわがままな気持ちだが、ずっと仲良く笑っていてほしい。ラストのデビュー曲の「D.D.」はダンスナンバーなんだけど、彼らのデビューまでのいろんな気持ちが詰まっているゆえに自分の中で泣いてしまう曲になっていて、ここでやっと少しだけ泣いた。だって歌詞に「Two steps forward, One step back (Day by Day by Day)Three steps forward, Two steps back (So It’s up to you)」、意訳すると「日々2歩進んで1歩下がる、3歩進んで2歩下がる(君次第)」ってあるんだよ、デビューまで長かった彼らがこの曲を歌いながら感慨深い表情してるのを見たらもう。生で見られてうれしすぎる。

20年越しに救われた気持ちになった瞬間

今回行った横浜アリーナは、23年前に生まれて初めて自分でチケットを取ってライブに行った会場だ。「世の中にはこんなに楽しいことがあるんだ」と教えてくれた場所だった。最後の最後に佐久間くんが言った「また俺たちが最高の景色見せてやるから一生ついてこい!」という言葉は、奇しくもそのとき見たバンドのリーダーが言った言葉と同じだった。

そのバンドは結局解散してしまったし(その後復活ライブをしたときは3分の2くらい泣いてた)、その後もたくさんライブを観てきたけれど、バンドにしろアイドルにしろグループを応援している以上、同じ形が続かないことのほうが圧倒的に多いのは痛いほど知っている。

でも不思議と、ぜんぜん切ない気持ちにならなかった。前に破られた言葉だけど、Snow Manならもしかしたら、本当にずっと9人のSnow Man でいてくれるかも、と思わせてくれる「信じられる」人たちだからだ。本当に続くかどうかはそんなに重要じゃなくて、続かなかった未来を知っている人間にもそう思わせてくれるのってすごいことだと思う。

彼らを好きな理由は曲がいいから、パフォーマンスが素晴らしいから、メンバーが好きだから、たくさんあるけど、この「普通だったら無理じゃないかと思うようなことをやってくれるところ、やってくれると信じさせてくれるところ」もなんだよな、と本人たちを見てあらためて思えてうれしかった。たくさんの解散やメンバーの卒業脱退に涙しつつもグループを好きでいることをやめられなかった自分を、20年ごしに救ってもらえたような気がした。

寿命も延びちゃったことだし、また当選できるように徳を積みつつ、前を向いて生きよう。

文/ぐみ

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