
原稿料が上がっている【さとゆみの今日もコレカラ/第568回】
今月に入ってから、2、3日に1度のペースで「いいライターさんを紹介してください」と言われることが続いている。
わりと、条件が細かい。そして、ハードルの高い仕事が多い。
わたしはいったい何屋さんでしょうというくらい、毎日毎日ゼミの卒業生に連絡をとって、こんな仕事があるけれど、興味あります? と聞いている。
それで気づいたのだけれど、最近、こうやって尋ねられる仕事の原稿料が明らかに上がっている。昨年の1.2倍から、1.5倍くらいのイメージだ。
そのお値段なら、ある程度キャリアのあるライターさんにも頼めるなと脳内検索していてハッとした。そうか、AIが文章を書くようになったら、残るのはハードルが高くて原稿料も高い仕事なのか、と思う。
私に連絡をくれた方々は軒並み「書けるライターさんは、全然スケジュールがとれなくて、奪い合いなんです」と言ってらした。
そうなんだろうな。知り合いの書籍ライターさんたちも、だいたい半年待ちだ。オファーされる仕事のうち、引き受けられるのは半分程度という話もよく聞く。
ある編集部では、ここ一年、AさんとBさんとCさんの3人に社のほとんどの書籍を書いてもらっていると言っていた。全員知り合いである。筆力の高い方ばかりだ。
ここぞという本の時には、値段を上げてでも良いライターさんに書いてもらわねばとなっているとも聞いた。ライターが見つからなくて刊行を見送ったとという話もたびたび聞く。
ライターになって25年。ずっと右肩下がりっぱなしだった原稿料が、ここにきて初めて、上向こうとしている(気がする)。
この傾向は続くだろうか。注目したい。
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