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ダイエットと罰金と広告【さとゆみの今日もコレカラ/第357回】

もう、15年以上前のことだけれど、森博嗣さんの著作で、ダイエットと罰金について書かれた文章を読んだことがある。

たとえばあなたが家族や友人に、「ダイエットするから、見張っていてね。もしもケーキを食べちゃったら、罰金払うから」と言うとする。これは、最悪の契約だと森さんは言う。
この形だと、あなたがダイエットに失敗するほど、家族や友人が儲かる仕組みになる。

じゃあどうすれば良いかというと、「私がダイエットに成功したら、みんなに5万円ずつ払うね」といえばいい。こうなると、周囲はみんなあなたのダイエットを真剣に応援してくれる。

ここだけ書き出すと、森さんはしごく当たり前のことを言ってるように思う。そんなのみんな、知ってるよと思うかもしれない。
でも、世の中はいまでも、「最悪の契約」に満ち溢れている気がする。

たとえば、広告。
写真素材をダウンロードできるサイトでは、毎回、「10秒の広告を見るのが嫌なら、会員になりましょう」と表示される。
私たちの脳には、どんどん「お金を払わない罰として、広告を見せられる」という考え方が刷り込まれていく。
もしくは、「お金を払うと、広告を見なくて良い報酬が払われる」という考え方。

一方の手で広告営業をして、一方の手でその広告を表示させないための営業をする。ヘビが自分の尻尾を咥えて飲み込もうとしているようだ。

「ここからは有料記事です」も、「ここから先を読むには会員登録が必要です」も、似ている気がする。
続きを読むためには、お金を、もしくは時間を差し出さなくてはならない。ということは、記事を読み続けるという行為に対して、罰を受けているような気持ちを設計しているのではないだろうか。

と、ここまで考えて思うのは、じゃあ、書籍は、有料noteなどはどうだろうと考える。
書籍を書店で試し読みして、買いたいと思う。この場合、本を買った行為を罰とは感じない。話題になっているnoteを買うのも、わりとるんるんする。書籍を買うのと似た感覚だ。

あれ、じゃあこのケースは、「続きは有料」と何が違うのだろう。もともと無料で読めると思っていたから、損をした気持ちになるのだろうか。
確かに書籍や有料noteの場合、最初から有料であることをわかっていて、ページを開く。だから、本来有料のものを一部試し読みできている、という感覚になる。

突然出てくる「ここから有料です」表示との差はそこだろうか? そこじゃないのだろうか? 
あと、この話、森さんの話とはまた別の話だろうか。同じ構造だろうか。

書いているうちにわからなくなってきた。
もう少し考えます。


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【この記事をおすすめ】

僕は、メディアは将来的に、PV数を追う必要がなくなっていくのではないかと思っています。



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