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いい音? 悪い音?【さとゆみの今日もコレカラ/第370回】

ビーチフロントのホテルに滞在して一週間。初日に驚いたのは、波の音の大きさだ。
到着したのが夜だったので、最初は、外が嵐なのだと思った。そうじゃなくて、これは波の音だと分かったのは、朝になってからだ。

過去に首都高速の真横のマンションを内見したことがあるのだけれど、波の音は、そのとき「これは住めない」と思ったのと同じくらい音の大きさだ。デジベル測ったら多分似たようなものだろう。
でも、不思議だと思うのは、同じ大きさの音でも、車の音だと騒音だと感じるのに、波の音だと心地よく感じること。この違いは何だろう。

人から聞く言葉も、ある言葉だけ大きく聞こえて刺さることがある。大抵、図星だったり、コンプレックスがあったりすることだ。
私がこの数年、カッとなった数回は、すべて同じ内容がトリガーになっていた。自分でも薄々気づいていることを、先に指摘されたからカッとしちゃうし、傷くし、つい言い返してしまうのだよなあ。相手は同じサイズの声で話しているのに。

良薬口に苦し。
図星耳に痛し。

首都高横のマンションは相場より3万円くらい安い。つまり価値が低いと思われているからだろう。
でも、耳に刺さる言葉は、耳に心地よい言葉よりも価値が高いかもしれない。痛く聞こえる言葉ほど、自分に必要だったりする(ときもある)。

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先生が「でも福田は、絵の面白さを1mmも味わえてないけどね」と言ってきて。


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