
どんな未来もいまと地続き……だけど【さとゆみの今日もコレカラ/第518回】
新学期が始まりますね。それで思い出した話。
30代前半の頃。
ある書家の人と仕事をする機会があり、その仕事終わりに好きな言葉を毛筆で書いて額装してもらったことがある。
その時選んだ言葉が「どんな未来もいまと地続き」だった。
多分、井上雄彦さんの漫画にでてくる言葉だったと思うのだけれど、ちょっと定かではない。今考えると、だいぶ体育会系風味の言葉だなあ、と思う。
昨日、夢の話を書いたけれど、ある日突然宝くじのように叶う夢はほとんどない。だいたい、今日の先に明日があって、その先に明後日がある。
ただ、面白いのは一日一歩で歩いてきても、ある日突然「ポイント10倍day」みたいな日があることだ。
今までの亀の歩みはなんだったのかと思うような、ある日突然「わかる日」みたいなポイント10倍dayがやってくる。
ある著名な指導者は「その『ある日突然』のタイミングは、選手によって違う。だから、指導者は一日たりとも練習を休めないのです」と言っていた。
スポーツだけではない。私自身が多くの書き手の人たちを見ていてもそう思う。
確かにどんな未来も今と地続きなのだけど、ある日突然、蟻の歩みが、チーターの走りくらいになる時がくるのだ。
きっとどんな仕事でもそうなのではないか。
「こんなに頑張って上手くならないのに、目指す姿なるには何年かかるのだろう」と思うとき。
いつかポイント10倍dayがくることを。いつかチーターのランがくることを知っていると、わりとせっせと頑張れるなあと思う。
(ベネチアのホテルにて。なんと旅行会社に任せたホテルが10年前に一人旅で泊まったホテルだった。受付で「ファビオラ?」と聞いたら、びっくりされるなど→ファビオラの話はこちら)
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