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人生をやり直すなら【さとゆみの今日もコレカラ/第 216 回】

人生やり直すなら何歳からやり直したい?

そんな他愛もない会話を友人たちとよくした。うーん、でも今の記憶を持ってやり直しできないなら意味ないよね、なんてこともよく話した。

あれ、訂正。

激しく、訂正。

今の記憶を持ったまま、人生をやり直すなんて、地獄だ。

たとえば、高校3年生のマラソン大会。私は高1のときに右足靱帯を切ってて、高2で左足靱帯を切っていたから、3年生で初めてコースを走った。でも、最後の坂道があんなにきついと知ってたら、絶対にあのスピードでは走らなかった。もしも人生2周目だったら、表彰なんてされなくていいから断     固、手を抜く。

それ以前に2周目の人生なら、2度も靱帯を切らないように気を付けるし、靱帯を切ってなかったら部活に専念してたろうから、学年ビリの成績のまま卒業しただろう。暇すぎて図書館で本を読み漁ることもなかったろうから、今の仕事に就くこともなかっただろう。

学生時代の話だけじゃない。あのムックもこの書籍も、最後は数日徹夜だった。主婦の友社の食堂に2泊したことも、ダイヤモンド社の会議室で3徹したこともある。2度とやりたくない。

ゼミの添削だって毎回朝までコースで、徹夜のままゼミをやって倒れるように寝ている。1期からやり直してくださいと言われたら、あんなに頑張れない。かといって、徹夜しないようにスケジューリングする人生を送れるとは、人生何周目でも思えない。そんな私なら、こんな私になってない。

一番、ナシだと思うのは恋愛だ。いずれ別れることがわかっているのに、同じ人と付き合うなんてできるのだろか。

今回の人生を振り返って、やり直したいことリスト NO.1は2度目のペンネームを「佐藤友美(2番目の夫の姓)」にしたことだが、これだって、2回もうっかり「あなた色に染まります」と思ったからの所業であり。それくらい浮かれポンチじゃなければ、息子だって生まれていなかったろう。

恋愛も結婚も、うっかりしていないとできない。過去の記憶を持ったままうっかりするのは、無理筋だろう。

それよりなにより。

そういえば、今の人生にとりたてて不満がない。もう一度やり直せと言われたとて、やり直したいポイントが思いつかない。バカをしたと思うこともあるけれど、やり直したいかと言われると「別に」である。

ここまで考えて、はたと思った。

人生の個々のタイミングでは、二度と思い出したくないくらい苦しい記憶がいっぱいあるのに、人生全体としてはまるで不満がない。これって不思議だ。

もしも記憶を持ったまま人生2周目になったとして、思い出したくない苦しいことを全部避けたとしたら、人生全体は幸せになるのだろうか。それとも……?

3話で離脱した「ブラッシュアップライフ」をネトフリで完走して、ふと思ったことでした。

ブラッシュアップしたいライフはありますか?

【この記事をおすすめ】

読み終わってみると、彼女は書くことで命を長らえていたのだなと分かった。

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