
サンプルありの自由【さとゆみの今日もコレカラ/第536回】
東京文学フリマが近づいてきているので、今日もZINEの話を。
先日、ライター仲間のえずさんにZINEの作り方講座をしてもらったとき、面白いなと思ったことが2つあった。
ひとつはえずさんが「ZINEは寄せないのがいい」と言っていたこと。
「寄せない」とは、「このほうが売れるのでは」と考えて、世の中の売れ筋の本に寄せたZINEを作らないという意味。どんなにニッチでもいいから、とにかく自分が作りたいものを作るのがいいと教わった。
これはなるほどで、普段商業出版に慣れていると、読者対象、読者目線、読者メリット……をどうしても考えてしまう。
でもZINEでそれをやると、プロの作った書籍の劣化版になってしまう。微小ロットのZINEだからこそ、自分のこだわりを自由につめこんだほうがいいとのことだった。
そして、もうひとつ面白かったのが「自由に作っていい」と言われても、まるきりの白紙から何かを考えるのはすごく難しいということ。講座には何十冊ものZINEのサンプルがあった。
縦組み、横組み、サイズもバラバラ。イラストや写真づかいもいろいろ。そんなたくさんのZINEを見てはじめて「自由に考える」が楽になることがわかった。
参加した人たちも口々に、「見本がたくさんあるのがよかった。サンプルがあったから、具体的に自分のZINEをどうしていきたいかイメージできた」と言っていた。
これって、面白い。
真っ白な自由じゃなくて、サンプルありの自由。
想像力って、そういうところから羽ばたくよねえ。
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せっかくのクラフトプレス(ZINE)なのだから、商業出版ではできないことをいろいろやりたいと思いました。


