
真昼の夜【今日もコレカラ/第618回】
ベルギーのすっごく良いところは、ベルギービールが安いところだなって思う。ベルギービールにはちょっと思い入れがあって、ええとでもそれはまた書こう。
でね、今回のベルギー滞在中、「昼間は絶対に飲まない。昼間は1ミリもこぼさず執筆する」と決めてやってきたから、ちゃんと昼間は全部書いてるのね。もうちょっと信じられないくらいの宗教心で書いている。
で、夜になってから飲んでいるのだけれど、夜でも真っ昼間の光なのよ。もうね、十分黒焦げになれるよ、サマータイム。渡辺美里もびっくりだよサマータイムブルース。
おととい初めてアントワープの駅についた時、時刻は22時過ぎだったけれど、めちゃくちゃ明るかったから、ホテルまで15分歩いた。治安的にほめられた行為では無いと思うけれど、だってどこにも影がないんだもん。すみずみ明るい。
仕事を終えてから5時間、昼間の光が続くのって、なんか人生観変わるよなあ。
かつての夫(my second X husband)は、結婚前しばらくベルギーで働いていたのだけれど、夕方17時に全員仕事を切り上げ飲みにいく生活に不安を覚えたと帰国してきた人だった。20代はもっとがむしゃらに働かないといけないんじゃないかと思って、と言っていた。
いや確かに、この明るすぎる世界線にいると、いろいろ磁場が狂うなあと思う。
真っ昼間の光で、子どもたちが公園できゃいきゃいはしゃいでいる場所で、でももうちゃんと夜だからベルギービールを飲みながら、夜っぽい文章を書いている。
ランチミーティングですかみたいな光の中で、隣の席で綺麗な女の子がチャーミングな男の子に口説かせてる。なんていうか、ちょっと、時差ぼけしながらずるいことしてるような気持ちになる。
光が明るいうちに、だけどそれは本当の昼間じゃなくて、背徳感を感じながら夜っぽいことするのっていいな。アレみたいだ。
日本だと、長崎とかがそうなんだよね。
私が五島を好きなのって、海が綺麗なこともあるけれど、なにせ、夜が、長い。
夜が長いと、イロイロできるよね。
日の光でチャージして、そのチャージをね、夜にね、ぶわーーって放電するの。
睡眠中にチャージして日中のエネルギーにするよりも、
ずっと、
生物っぽくてよくない?
はい。酔ってます。
おりしも、旅のエッセイのご依頼が届く。日の出づる国から。
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