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こんな時代に雑誌を創刊し完売させることについて【今日もコレカラ/第647回】

その審美眼を心から尊敬している友人がいる。
その人が「さとゆみ、これ知ってる?」と紹介されて読んだ雑誌が、昨年読んだ読み物の中でもっとも衝撃的だった。

タイトルは『新百姓』という。0号、つまり創刊準備号のようだ。この出版大不況時代に、雑誌を新創刊すること自体が驚異的だ。
『新百姓』というタイトルなのに、農業の本ではない。どうやら哲学? の本のようだ。
どこが母体なのだろうとホームページを開くと、トップページにでかでかと「なぜ人類はいまだに毎日を遊んで暮らすことができないのか?」と書かれている。
KOされた。

その0号にはシリアルナンバーがついていた。888冊の限定販売らしい。
友人の本をぱらぱらとめくったのだけれど、あまりに面白そうだったので、自分で買おうと思った。
ところが、1号は手に入ったのだが、0号はどこを探しても在庫がない。メルカリでは2万円の値段がついていて、そして完売していた。

私はもう一度友人に連絡して、しばらく0号を貸してほしいとお願いした。
そして、2号まで発売になったところで、編集部に取材を申し込んだ。

この時代に、こんな雑誌が創刊するなんて。
この時代に、書店の一番目立つ場所にこの雑誌が平積みされているなんて。
そして、この時代に、この値段の雑誌が完売するなんて。

今日アップしたインタビューは、この雑誌『新百姓』の編集長、おぼけんさんへのインタビューだ。

これまでのライター人生で、1000人以上の人にインタビューをさせてもらっていると思う。
その中でも、このインタビューは生涯忘れられないものになると思った。
私の人生100年時代の、後半50年の指針になるだろうと思えた。

場所を変えて3時間の取材、そしてそのあと、トークイベントも聞きにいって2時間。
細胞全部が総立ちになっていた。全部の毛穴で彼の言葉を吸収しようとしていた。
多分、エネルギーを使ったのだと思う。この日、家に戻ったら、1.8キロ痩せていた。

その、静かで爆発的な興奮を、ライター仲間のまほちゃんがまとめてくれました。
心の底から、読んでほしいです。インタビューも。『新百姓』も。

編集長のおぼけんさんは、テーブルにつくなり、友人から借りた0号を見て言った。
「0号持っているんですね。もう、編集部にも1冊も在庫がないんです」
そんな話から始まります。

※「今日もコレカラ」は朝7時に更新です。バックナンバーが読めるようになりました。

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