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5歳の男の子の質問【今日もコレカラ/第662回】

10人入れば満席になるような京都のおばんざい屋さんで、家族連れが座ったテーブルのほうから声が聞こえた。「人がお話ししてるときに割り込むのは良くないよ。話が終わってからにしよう」。
どうやら、父親と母親が会話していたところに、男の子がカットインしてきたようで、それを母親が注意したようだった。
「でも、その時に話さなかったら、違う話になるやんか」
と、男の子は抗議する。先ほどお店の人に年齢を聞かれて5歳と答えていた。賢そうな子だ。

母親はちょっと困ったような顔をして、「それでも、人の話を遮るのはルール違反だよ」と言い、「で、何が言いたかったの? 聞くよ」と続けた。
男の子はちょっとむくれて「もういい」と横を向く。
母親は「そういう態度は良くないわあ。ほら、ちゃんと聞くから言いなさい」と、促す。
男の子はもう一度「もういい。話したくなくなった」と答えた。

懐かしい感じだった。
我が家でも、そんな会話があった。男の子の気持ちも、母親の言い分もよくわかる。

しばらく経って、またそのテーブルから「大きくなった時に、もっとラクに勉強できるようになるために、いま勉強するんだよ」と言っている声が聞こえた。どうやら、くだんの男の子が「なんで勉強せなあかんの?」的な質問をし、母親が答えたようだ。
「いや、ラクにってわけでもないか。うーん、大きくなった時、もっと大事なことを勉強する時に、もっとするするわかるようになるために、その基礎を子どものうちにかためるんよ」と、つけ加えている。
男の子は、しばらく考えた後、「じゃあ、大人になるまでは、いまの勉強は役に立たないの?」と聞いていた。
やはり、とても賢い子なのだなあと思う。

経験的に、この年齢の子たちが一番鋭く、そして本質的な質問をすると感じる。インタビュアーにスカウトしたいくらいだ。というか、爪の垢を煎じてのませてもらいたいくらいだ。

ちょうどそのとき注文したお料理が届き、おかみさんがその説明をし始めたので、親子の会話がどこに着地したのかは分からずじまいだった。

人の話を遮ったらいけないの?
僕たちは、大きくなった時のために勉強しているの?

子どもに、そう聞かれたら。

私だったらどう答えるだろう。
皆さんだったらどう答えますか。

問いのプールに収穫を得て、ホクホクしながら帰ってきたよ。

※「今日もコレカラ」は朝7時に更新です。バックナンバーが読めるようになりました。

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読み終わって一番に思ったのは、「これは仕事よりも、娘との会話を見直すための本だ!」ということだった。

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