
大きな穴、小さな穴。俯瞰のブルーベリー問題【今日もコレカラ/第705回】
あるケータイゲームにハマっていて、1日最低でも1時間は溶かしているのだが、そのゲームの爽快感というか身も蓋もなさみたいなところが、すごく人生に似てるなと感じている。
ただただ、穴の中にアイテムを落としていくというだけのゲームだ。
開始直後は穴のサイズが小さくて、たとえばブルーベリーの粒とか、さくらんぼとかしか穴に落とせない。
でも、それをせっせと続けているとどんどん穴が大きくなっていって、ニンジンとかバナナとか、スイカサイズのアイテムも穴に落とすことができる。
そのうち、もっと大きな、たとえばソファーのような家具も落とせるくらいのサイズの穴になって、必須アイテムを全部穴に落としたらコンプリートという、まあ、単純と言えば単純なゲームだ。
このゲーム、プレイヤーの目線の位置が変わるのも面白い。
スタート直後は、キャベツやスイカは目の前にそびえたつビルのように見える。下から見上げている感じだ。
だけど、穴が大きくなるとどんどん目線が上がって上から俯瞰できるようになり、最後の方では、キャベツやスイカは視認できるけれど、ブルーベリーくらいになるともう、豆粒のように見える。
最初は大きなサイズのアイテムをとるために必死にレベルアップして穴を大きくしていくのだけれど、大きくなればなるほどブルーベリーくらいの小さなアイテムが見つけにくくなって、取りこぼしがあると、最後の方で見つけるのが困難になってくる。
仕事の縮図だ、と思う。
まさに、仕事の、縮図だ。
新しい仕事を始めた時は、そびえ立つビルのように難しいミッションに思えた仕事が、だんだん慣れてできることが増えたら、簡単にできるようになる。
昔は見上げていた仕事を俯瞰して見下ろせるようになり、なんであんなところでつまずいていたんだろうと思うようになる。
一方で、仕事に慣れれば慣れるほど、昔はそのひだひだまで見えていたブルーベリーサイズの解像度が下がる。
あんなに丁寧に見つめていたブルーベリーが、いまや空から見た豆粒くらいで、さくらんぼとの差が見分けにくくなる。
ベテランになってからやらかしてしまう事故は、大抵、この「俯瞰のブルーベリー問題」であるなと思う。
ちゃんと足の裏が地面についているか。
空中戦をしてないか。
それを点検するために私はコツコツとケータイゲームをしている(嘘)。
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