
素人は驚く。プロはもっと驚く。【今日もコレカラ/第730回】
横浜美術館で佐藤雅彦展をみた。
ピタゴラスイッチやアルゴリズム体操、遡れば、だんご三兄弟、バザールでござーる、ドンタコスったらドンタコス、カローラ2に乗って〜、モルツモルツモルツモルツ……などなど、記憶に残るCMを多数手がけた人だ。
展示では、それらCMがどのようなルールとトーンの掛け合わせで作られたものなのかがロジカルに説明されていた。ルールがあるのだから再現できる。頭をかぱっと開いて脳内を見せてくれるような展示だった。
展示の中に、消えるガラス玉のピタゴラスイッチがあった。水の中にガラス玉を落とすと、そのガラス玉は外から見えなくなる。見えないけれどピタゴラスイッチのようにちゃんと前に進んでいて、周囲のものが動いていく。透明人間が次々と仕掛けを押していくような感じだ。
一緒に行った理系の人(雑な言い方すみません)が後で解説してくれたのだけれど、あれは水と油の比率を調整して、水槽のガラスと同種の環境を作り出し、それによってガラス玉が消えたように見えるのだという。
そして、佐藤雅彦さんのクリエイティブの凄さは、その仕組みがわからない子どもでも楽しめて、その仕組みがわかる人はさらに楽しめて、となるところかもと話してくれた。
たしかに。
素人は驚く。プロが見ても驚く。
子どもが喜ぶ。大人も夢中になる。
クリエイティブの極みだと思う。
展示を見終わり、みんなで台湾料理を食べた後、パイセンに連れられ、古いレコードを聴かせてくれるミュージックバーに行った。一人だったら絶対に入らない怪しげな雑居ビルの5階。中に入ると天井までずらっとレコードが並び、奥に巨大アンプがあった。
私は普段音楽をまったく聴かない。
けれど、そこで聴いた何枚ものレコードの音は、そんな私でも子宮が揺さぶられるようなものすごい音だった。私が知っている音楽とは全然違った。音を聴くってこういうことなのかと50歳を手前にして初めて知れた気がした。
一緒に行った仲間の中には音楽に詳しい人も、いろんなコンサートに足繁く通っている人もいたけれど、彼らも一様に感動して体を揺らしている。みな口々に「何度も何度も聴いた楽曲の中に、一度も聴けたことのない音があった」と言っていた。オーディオが違うとそこまで違うのか。
この感じ、何かに似てると思って、そうか、さっき見たばかりの展示に似てるんだと思った。
素人でもその差に驚く。詳しい人はさらに驚く。
自分の仕事もそんなふうでありたいな、と思う。
はじめて接する人に優しく、目の肥えた人には新しく。
そんな仕事ができるといいなあ。
と、思いながらほくほく帰宅しました。
台湾ビールのみすぎてお腹パンパンです。
今夜、著者で小説家の和田裕美さんと一緒に「生きるための文章講座」をオンラインで開催します。
「普通の人が書けるようになったら、どんな世界がやってくる?」が、和田さんからもらったテーマです。
普段、書くことをしていない人にとっては、驚きの内容になればいいなあと思うし
普段、書くことをしている人にとっても、新しい発見のある内容になればいいなと思っています。
今夜20時。現在587人のお申し込みがあるみたいです。無料&アーカイブもありますので、よかったら遊びにきてくださいねー。
(昨日SNSで告知したらアクセスが集中して申し込みサイトが落ちちゃっていたみたいでした。もしサイトにアクセスできなかったら、support@wadahiromi.comまで「10/30受講希望」とのタイトルで直接申し込んでくださいとのことです)
今夜20時、お会いできるのを、楽しみにしていますー。
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