
オレたちに公衆電話は見えるか【さとゆみの今日もコレカラ/036】
「最近の子どもは公衆電話の使い方を知らないけれど、災害時を考えると教えておかなきゃですよね」と、ライター仲間のともちんが言った。
でも、公衆電話って近くに全然ないよと私が言うと、「さとゆみさん、公衆電話は市街地だと 500 メートル四方に 1 台置くことが法律で決まっています (注)。さとゆみさんの家から駅までの間にも、多分ありますよ」と言われた。
確かにあった。え、昨日までもあった? という場所に突然にょきっと生えたように、公衆電話はいた。
その後も街のいたるところに公衆電話を見つけるようになった。いわゆるカラーバス効果と言われるものだろう。赤を気にすると赤いものに関する情報が集まってくる。
妊娠すると突然、ベビーカーで歩く人の多さに気づく。怪我をすると突然駅のエレベーターの表示が目に入ってくる。see と watch の違いではないけれど、意識的に見ようとしない限り、目は何の情報も取ってこないのだなと気づく。
そういえば最近、凝視しているものがないなと気づく。アンテナが立っていない証拠だ。ボーッと生きてんじゃねえよ、オレ。と、喝。
(※注 その後法改正があり、2022 年から公衆電話の数は 1/3 に減っています)
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書籍を読んでいる間「私もそれ、考えたことがある」と脳内で何度も呟いた。と同時に「そこまで考えたことはなかった」も同じくらい呟いた。


