
たとえばへらぶな的な地平線に【さとゆみの今日もコレカラ/第467回】
新しく仕事をご一緒させていただく編集者さんが「ここの出版社はまだ3年目なんです」とおっしゃるから、「前はどんな出版社に?」と聞いたら、「へらぶなの専門誌に」とおっしゃった。
「へ、へらぶな?」
と聞いた私に、「釣りです」と言う。
「ああ、あの、へらぶな」
と答えたけれど、あのへらぶなも、このへらぶなも、顔がわかるわけではないし、お会いしたこともない。
「ニッチですよねえ」と、その編集者さんは笑いながら、「でも、へらぶなの専門誌って、3誌もあるんですよ」とおっしゃる。そして「僕が勤めていた頃は4誌あったんですよね」と付け加えた。
調べると現在、「へら鮒」「へら専科」「bobbr」という専門誌がある。
「へら鮒」1967年(昭和42年)創刊。2003年創刊の「bobber」は、3誌の中でも若年層向けらしく、企画もオシャレなんだそう。
雑誌には釣り場の割引クーポンがついていて、それが目当てで毎月買う読者も多いとのことだった。
かれこれ15年前、作家の森博嗣さんは、「広告とタイアップだらけのマス向けファッション誌は、いずれ無くなる。しかし、ニッチな趣味の雑誌は生き残る」と書いていた。具体的には、「広告など入っていない鉄道模型の雑誌はずっとなくならない」とおっしゃっていた。
梨花ちゃんが表紙の「Sweet」が100万部を超えていた頃の話だ。先見の明すぎる。
昨日、ライティング道場の資料として女性ファッション誌を使ってワークをしたのだけれど、「non-no」と「ViVi」は、薄っ!!! と声が出るほど、薄かった。書店に雑誌を受け取りにいってくれた人が、「クリアファイルに入れて保管されていて、その薄さにビビった」と話していた。
その「non-no」と「ViVi」はここしばらく、男性アイドルの表紙ばかりである。調べると、紙の雑誌は男性アイドルが表紙、Kindle版はモデルが表紙で、2パターン作るのが恒例になってる。
付録に頼るか、アイドルに頼るかが、ファッション誌が生き残りの道のひとつらしい。この2誌のいまの部数は6〜7万部強といったところ。
一方の「へら専科」は、2020年の資料で6万部。現在は少し減っているだろう。
いろいろ知らない世界。考えさせられる世界。
へらぶな的な地平線の先に、なにかヒントがあるような。
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