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ちゃんめい

「業界特有の横文字ビジネス用語を理解したい!」なら『婚活は戦略的に。』を読んで、“情報”ではなく“考え方”として向き合う【連載・あちらのお客さまからマンガです/第4回】

「行きつけの飲み屋でマンガを熱読し、声をかけてきた人にはもれなく激アツでマンガを勧めてしまう」という、ちゃんめい。そんなちゃんめいが、仕事や人間関係、恋愛……などのお悩みに対して、おすすめのマンガと共にアドバイスをお届けします。

第4回目は、たかちほさん(仮名)からのお悩みです。

“ビジネス用語が分からなくて困っています。私は、わりとかための中小企業に勤めているのですが、たまに仕事で広告業界やWEB業界の人たちと接するときに、話の内容についていけなくなることがあります。「KPI」って何? 「PDCA」って何? と、いちいち躓いている私に、初歩的なビジネス用語から最新のビジネス用語まで、詳しく教えてもらえるようなマンガを紹介してください。”

WEB業界って横文字のビジネス用語が多いですよね。私の場合は、新卒からずっとWEB業界で働いている身なので、特に「KPI」は常日頃使うというか念頭に置いているワードなのですが。業界はもちろん、仕事にも慣れていない1年目の頃は、そんな横文字のオンパレードに「しゃらくせ〜!」などと思ったこともあります(笑)。

ですが、業務をこなすうちに自然と浸透していき、今ではシンプルにこの業界の横文字だらけのビジネス用語が好き、というかめちゃくちゃ“使える”なぁと思います。

何のためにある?ビジネス用語の存在意義

そもそもビジネス用語って、意思疎通をスムーズに行うために共通認識の言葉を使いましょうと……そんな目的があって存在しているんだと思うんです。だから、世の中には仕事や業界の数だけビジネス用語が存在しているんだろうなと。

もしも私がたかちほさんの働いていらっしゃる業界に転職したら、同じように「?」の嵐だと思います。最近では「マンガで学ぶ!〇〇」なる本がたくさん存在するので、私だったらこの類の本をいくつか購入して、まずはその業界のビジネス用語にたくさん触れると思いますが、この類の本には少し注意点(?)がありまして……。

それは、決してマンガなのではなく、ビジネス書に記されているような内容をマンガのフォーマットで説明しているだけという点。まぁ、確かに「マンガで学ぶ!」ではあるのですが、吹き出しいっぱいにセリフ……じゃなくて、ビジネス用語の解説・情報がみちみちに詰まっているのを見ると、そもそもマンガをエンタメとして愛している私は少し萎えてしまいます(笑)。

WEB業界のビジネス用語は「考え方」 として捉える

そして、これは私の持論なのですが、WEB業界で飛び交う横文字のビジネス用語って、例えばテスト前に文字の意味を覚えるかのように“情報”として捉えると理解できないというか、浸透しないんです。なぜなら、WEB業界のビジネス用語って“考え方”そのものだなと思うから。実は、これは私が冒頭で言った「ビジネス用語が好き、というかめちゃくちゃ“使える”」という話と大きく関係があるのです。

例えば、「PDCA」はPlan(計画) ・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取った言葉。これだけ聞くと、なんとなく構えてしまうというか「覚えねば!」って気持ちになると思うんです。でも、これは言葉というよりも、この4つのポイントを押さえてサイクルを回すと業務効率が改善するよっていう“考え方”の1つなんです。

WEB業界のビジネス用語って、こういう類の言葉がほとんどな気がします。「KPI」

もKey Performance Indicator(重要業績評価指標)の略で、私も一年目のときは「え、なんて?」と思っていたのですが、この指標を設定するからこそ、社内で掲げた目標・ゴールの達成度が常に把握できるというか、達成までに必要な工程が見えてくるんです。

元・IT大手企業勤めの漫画家・矢島光先生が描く『婚活は戦略的に。』

とっつきにくいビジネス用語ではありますが、これがあるから物事をフワッと進めないで済むし、効率よく遂行できるから個人的にはとても気に入っています。

本当は早くマンガの話をしたいのに、なんだか長々とビジネス用語について語ってしまいましたが……この前半で話した「めちゃくちゃ“使える”」を体現したマンガがこちら、『婚活は戦略的に。』です。

作者の矢島光先生は、大学在学中にマンガ家デビューを果たすも、社会人経験を積むために新卒でIT大手企業に入社。その後、退職し専業漫画家になられた異例の経歴を持つ方。専業漫画家へ転身した後に連載を開始した『彼女のいる彼氏』は、恋愛マンガではあるものの、まさに先生が勤めていたIT大手企業がモデルになっているので、WEB業界のあるある……それこそビジネス用語だったりカルチャーみたいなものが色濃く描かれていて、あと、女性キャラクターのファッションとかメイクの描写がとても細かくて可愛くって、もう本っっ当に大好きな作品です! (連載当時、同じ職場の女性社員がみんな読んでいて最新話が更新されるたびにめちゃくちゃ盛り上がった記憶)

『彼女のいる彼氏』にも業界のビジネス用語がたくさん登場するので、ストーリーを楽しみながらその意味合いを掴む……というのもおすすめですが、やっぱり私は『婚活は戦略的に。』を推したいです。

「ビジネス用語って使える」が詰まっている

『婚活は戦略的に。』は、超ざっくりいうと“婚活をコンサルしてもらうお話”です。

主人公は、仕事も恋愛もままならないアラサーOL・あかね。どちらかに全振りすることもできないままアラサーに突入した彼女は、結婚式の飲み会で東大卒敏腕コンサルタントに成長した小学生の頃の同級生・駒場に再会します。自分が今抱えるモヤモヤを吐露するあかねですが、そんな彼女に駒場は「結婚は簡単」と言い切り、コンサル仕込みのロジカルシンキングで適切なアプローチについて語り出すのです。

その後、あかねは駒場に「婚活のコンサル」をお願いし、戦略的に婚活を始めていくのですが、その中で活躍するのがWEB業界でも用いられるビジネス用語です。

例えば、駒場は今後デートした男性の面会記録をつけよ! と「婚活ブリーフ」なるものをあかねに渡すのですが……。これは、マーケティングで用いられる、ターゲットの情報整理や潜在的意識の把握を目的とした「ブリーフ」を婚活用にカスタマイズしたものです。

他にも、「フェルミ推定」という論理的に数値を概算する手法を用いて、あかねの夫候補の人数を算出したり……後者はどちらかといえばコンサル業界色が強めではありますが、なんというか横文字のビジネス用語って物事を効率よく進めるための手段としてめちゃくちゃ“使える”よなと。そんなビジネス用語の苦手意識を和らげて、もっと知りたくなるような気持ちにさせてくれるマンガなのです。

なので、「KPI」って?「PDCA」って何?……と業界ならではの横文字のビジネス用語に躓いたら、矢島光先生の『婚活は戦略的に。』を読んでとりあえず「使えそうだな!」って気分をあげて、“情報”ではなく“考え方”として向き合い、その意味を検索してみてはいかがでしょうか。

文/ちゃんめい

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